from to the future1 to 4

Stand by U ~to the future1~

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まだ夜明け前の薄暗い部屋で
僕は幸せな夢の世界から現実にかえってくる




もう・・・朝だ




長年の習慣で体が慣れてしまったせいか、仕事が入っている日は目覚ましがなくても自然と目が覚める



今日は朝早くから撮影が入っていた



早く起きなきゃと思いつつ、昨晩の疲れからか僕の体は重くだるく
もう少だけしベッドに体を横たえていたい衝動にかられ、躊躇する



寝返りを打つと

まだどっぷりと深い眠りに浸かっているであろうあなたがいる




長い睫毛
すっと伸びた鼻筋
目の下の傷
顔の小ささに似合わないたくましい体



そのたくましい二の腕に、さっきまでしっかりと抱きしめられていたのかと思うと
今さらながら少し恥ずかしくなる








こういう関係になってから、もうどれくらい経つんだろう



こういう関係が・・・いつまで続くんだろう








そんなことを考え始めると、僕は不安な気持ちを抑えられなくなるから
今は目の前にいるあなたとの幸せな時間だけを考えようと思い直す



それでも不安の波はすぐ襲ってくる


でも・・・しょうがないんだ


僕が自分で選んだ道なのだから








コーヒーを入れようと、上半身を起こしてベッドに座る


「・・・・・何時?・・・・」


不意に
あなたが目をつぶったままかすかにつぶやく



「起きてたの?・・・・4時・・・かな」

「・・・・今日・・・何時から?・・・・」

「・・・5時半に・・・迎えにくるはず・・・」

「・・・・そっか・・・・」





コーヒーをいれようと思ってたけど、あなたが起きたかと思うと、ここから離れることが嫌になる




「・・・ん・・・どう・・・した?」



あなたの匂いを感じたくて、僕は寝ているあなたの首筋にそっと顔をうずめる




ダメだ


こうなると・・・・もうここから動けなくなる


「別に・・・・・」


「・・・なんだよ・・・」



今まで寝ぼけていたあなたが、急に半身を起こして僕を見下ろすカタチになる




「・・・お前・・・朝から・・・その気にさせてんの・・・」


「・・・その気に・・・なってんの?」





その言葉を合図に、あなたはそのたくましい腕で僕を強く抱きしめる



深く深くキスをして


瞬く間に僕は服を脱がされ、あなたは急いで自分のTシャツを剥ぎ取る





あらわになるあたなの体に、僕は恥ずかしくなって思わず目を背ける

そんな僕を見透かして

あなたは口の端を少し上げながら意地悪く笑う





そんな風にして僕らはまた

堕ちていく











陽の光が、かすかにカーテンから差し込む


「・・・・待って・・・ダメだよ・・・時間・・・・」

「・・・大丈夫だよ・・・」

「・・もう・・・電話来るって・・・」

「・・・・あと・・・もう少しだから・・・・」

「・・・・何言ってんだよ・・・」

「うそうそ・・・でも・・ゴメン・・・マジで・・・あと少し・・・」







あなたの体温を感じながら、頭の片隅では冷静に今日のスケジュールを確認する


でも・・大部分は・・・

あたなのことで・・・いっぱいなんだ










「早く!!早く!!何やってんだよ!!遅刻する!!」


僕は玄関でイライラしながらあなたを急かす


「ちょっと待ってよ・・あれ?携帯は?」
「さっき机の上で充電してだたろ!!」
「あっそっか・・・。あれ?俺のiPad・・・」
「僕が持ってるよ!!」
「なんだよ!先に言えよ!!」
「いいからもたもたすんなよ!!」
「うるさいなあ・・ガミガミと・・・さっきはあんなにかわいかったのに・・・」
「うるさい!!だから時間がないっていったんだよ」
「何だよ、お前だってその気になって・・」
「何か言ったか!!」
「・・・・・・」



急いでマネージャーの車に向かう僕に、あなたが後ろから耳元でささやく



「お前・・・歩き方、変だよ」



僕の腰をポンポンと叩いて、にやりと意地悪く笑う
僕は無言であなたを睨みつけて、赤くなった顔をすぐ背ける




ったく・・誰のせいだと思ってんだよ



今日の撮影・・大丈夫かな・・・












繰り返されるこんな日常

余裕なんて全然なかったけど

今振り返ると、なんて大切な日々だったんだろう




あの頃の僕たちは

それでも2人で歩むこんな日常が幸せでしょうがなかったんだ







ねえヒョン・・・

僕は本当に幸せだったんだ







ゆっくりと忍び寄る影に気づかず

いや・・・・

気づかないふりをして




決して光の当たることのないこの愛を

大事に大事に育てていたんだ











Stand by U ~to the future2~

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2人になってからの僕らは
少しずつ少しずつ、でも着実に
何かが変わっていった



それまで、ヒョンにとって僕はただの弟だったし
僕にとってヒョンは、尊敬するリーダーであり、ただの兄貴だった。



でも、あの壮絶な月日を共に過ごし、共に乗り越え
2人だけの数え切れないステージをこなしていく中で
僕とヒョンとの関係は、明らかに以前のものとは違うものになっていった




目立たないように
いつもヒョンたちの後ろに隠れるようにしていた僕は
ヒョンと2人になったことで、そんなふうな振る舞いは半ば強制的にできなくなった



環境がそうさせたのももちろんある



でも、ヒョンが・・・
僕を引き上げてくれたからだ



ヒョンが何よりグループのことを考え、仲間を立てようとするのは前からだったけど
とにかくヒョンは僕をことごとく前面に押し出そうとした


TVや雑誌のインタビューでも、ヒョンは僕のことばかり話す。
時には照れくさくて恥ずかしくて「やめてくれよ」って思うけど
ヒョンの僕に対する思いに決して嘘はなく
心から僕を思い、僕を評価してくれているのは痛いほどわかる



だから、僕は照れながらも
それはそれとして素直に受け入れたいと思う。


そしてヒョンの僕に対する言葉に恥じないよう、もっともっと成長していきたいと思う。



反対に、僕はといえば
言葉が足りない上に素直じゃないから
ヒョンのことを公の場であまり話をすることができなくて
ついつい憎まれ口をたたいたり
ちょっとからかうようなことを言ってしまったり

言ってしまったあとで激しく後悔することも多い




自分のことですら正確に話すことができないのに
その上、自分にとって大事な人のことを語ろうとするなんて
僕にとっては至難の業だ




通り一遍なことであれば、いくらだって言える
でも僕は活字に載って残るものには責任を持ちたいから、そんなことはしたくない。

真剣に語ろうとすれば語ろうとするほど
伝えようとすればするほど、
なんだか全然見当違いなことを言ってしまって
自分の中の真実から、どんどん遠ざかっていくような気がしてしまう



だから僕はヒョンのことをあまり多くは語らない



でもいいんだ



ヒョンはわかってくれている

2人にしかわからない絆が、僕らには存在するんだ







僕とヒョンの関係は、単なる仲間を超えている


当たり前だけど、男女の仲のようなそれとも違う


兄弟とも違う


家族・・・・とも違う



それはもう、言葉に表すには限界があるんだ




ヒョンは僕の人生の一部であり、僕はヒョンの人生の一部であり

ヒョンは僕の体の一部であり、僕はヒョンの体の一部であり




同じ苦しみ、同じ悲しみ、同じ痛みを分かち合って
同じ喜び、同じ楽しさ、同じ感動を共にして


一緒に過ごしてきた時間が僕らをお互いの一部としてきたんだ





きっかけはなんだったのか

いつだったのか

今となってはもう思い出せないけど


でもそんなことはどうだっていいんだ





僕はヒョンを必要としているし
ヒョンも僕を必要としている




それだけでいいじゃないか



そう、思っていた







朝おきたらとなりにあなたがいて
夜中に悪い夢を見て突然目が覚めても、となりにあなたのぬくもりがあって




それだけでいいじゃないか


そんな時間が永遠に続けばいい



そんなことを夢見ていた






-でも




そんな夢はいつまでも続くはずはなく



どんな幸せな物語にも、必ず終わりはくる

最後は王子様と幸せに暮らすお姫様にも、必ず終わりはくるんだ




それは突然に思えて

でも確実に

じわじわと影を潜めながら、僕たちに近づいているんだ





それに気づかずに


いや


気づかないふりをして



僕たちはまた、幸せな日常の世界へもどっていく





本当は



もうとうの昔に



気づいていたはずなのに














Stand by U ~to the future3~

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1度大きな結果を出してしまうと
その喜びに浸かる間もなく、次のより大きな結果を出すための戦いがはじまる



それが、僕らの生きている世界だ



それでも僕は前に向かっていける
共に戦うあなたがいてくれるから







ヒョンがステージで初めて泣いたあの日


ヒョンの声がうわずって
僕ははじめ信じられなくて
ヒョンをじっと見つめていた



一生懸命泣くのを我慢して、それでも流れてくる涙を見たとき
僕はとまどいより・・・・うれしさがこみ上げていた



僕はすごくうれしかったんだ



絶対泣かないと決めたヒョン
泣くことを忘れてしまったんじゃないかと心配したくらい


でも2人になって
僕はヒョンの今までの重責を少しでも軽くしてあげたくて
少しでもヒョンにもっと気楽にステージを楽しんでもらいたくて




そしてもう二度と・・・


二度とヒョンが自分が愛されているかを心配しなくてもいいように





僕は万全のフォローをしてあげたいと思っていた


ヒョンがヒョンのままで安心してステージに立てること
それをサポートできるのは世界中で僕しかいない






だから

ヒョンがステージの上で泣いたとき
正直僕も泣きそうだったけど
僕は強くあろうと思った



ヒョンが弱ってる時は僕が強気に
ヒョンが調子が悪い時には僕がテンションを上げて
ヒョンが泣いた時には僕は笑って



そうやって僕らはお互いを補いながら
ずっと2人でやっていくんだ




そう・・・・思っていた







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「ヒョン・・・僕もう寝るよ・・・」

「あー・・・ん・・・先に寝てていいよ」

「・・・・・・おやすみ・・・・・」





最近ヒョンはよく夜遅くまで起きている


TVやPCを見ている時もあるし
なんと・・・漫画ではなく本を読んでいることもある
まあ・・いいことだけど
なんとなく・・・・さびしいのも事実だ・・・






相変わらずスタジオレッスンやステージでは厳しい人だけど
でも以前と違って僕にとやかくいうことはまずない。


「お前自身が1番よくわかってるだろう」


といわんばかりに、僕に向かって細かい指示を出すことは滅多になくなった



それはありがたくもあり

でも寂しくもあり



ヒョンに迷惑をかけたくないし、脚も引っ張りたくないから
一人前として認めてもらえるのは嬉しいんだけど


でも、だからといってヒョンが後ろについていてくれないと
僕はまだまだ自分に自信が持てなくて


僕とヒョンは対等な関係のようでありながらも
僕はやはり親鳥から巣立つことのできない雛鳥のようで
無意識のうちにあなたの愛に守られながら、僕は僕のままでいられたんだ






「ちょっと・・今日、出るね」

ヒョンが僕の部屋のドアを開けて声をかける


「僕もでかけるから・・・帰りは遅くなると思う」

「おう、わかった。気をつけろよ」






何を・・・だよ。

そっちこそ気をつけてくれよ。
スクープ狙いの記者はわんさかいるし、大抵狙われるのは逃げも隠れもしない、ある意味天然のあなたなんだ。





僕とヒョンはよっぽどのことがない限り、いちいち誰と何処へ行くということを言い合わない。
お互いのプライベートに関しては、昔から口を出さないのが暗黙の了解だ。




だって、最後には同じ家に帰るのだから・・。

ここが僕らの帰る場所なのだから・・。







そんな日常の中で、少しずつ動き出す。

僕らが目をつぶっていた、物語のその先が・・・・






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「チャンミナ」

「ん~」


いつもの風呂上がりの日常。
僕はソファーでビールを飲み、ヒョンはその隣でゲームやPCをいじる。
何かを2人で話すときは、大抵この時間になる。



「お前さあ~」

「ん~」

僕は手に入れたばかりの新しいソフトに夢中で、話半分に相槌をうちながら聞いていた


「前にさ・・・まあ・・・すごく前だけど・・」

「ん~」

「一人暮らし・・してみたいって・・・・いってたじゃん・・」

「ん~」

「聞いてんの?」

「ん~」


気のない返事の裏側で・・・少しざわつく僕の心


「それが何?」

「あ・・・まあ・・別に・・今でも思ってんのかなって・・ちょっと思ってさ」

「・・なんだよ・・いきなり・・・」

「・・・別に・・・あ~・・・そうだよな・・・。なんでもないよ。うそうそ。なんでもない。忘れて」



そういって笑うヒョン

・・・・そんなこと言われて・・・「はいそうですか」って言えるかよ・・・




「・・・・ヒョンは・・・どうなの・・・?」

「・・ん?」

「さっきの・・話・・・」

「ん?」

「一人暮らしって・・・話・・・」

「ああ・・・・ん~・・どうかな・・・」

「なんだよ、それ。人に話ふっておいて」

「まあ・・そうだよな。う~ん・・そっか・・・どうかな」



ヒョンは言いづらそうに・・・視線をはずして考え事をしているようなフリをしている。

ヒョンは言いにくいことがあるときには・・必ず視線をそらすんだ。




「僕は・・・まあ、自分の部屋もあるし、やりたいようにやってるし・・・今だって一人暮らしに近いっちゃあ近いけどね」

しょうがないから口火をきってやる



「・・・ストレスはなくなったの?」

ヒョンが意地悪っぽく口の端を上げて笑いながら言う

「・・・原因が何を言うか」

僕は大げさにため息をつきながら言い返す。



「いや・・・気をつけてはるんだぜ、いろいろ。これでも・・・」

ヒョンがちょっとバツ悪そうに言う



いつもならここから僕の本領発揮で
この頃気になっているヒョンのだらしない所にいろいろ文句をいいたいところんなんだけど


なんか・・・今日はいつもの雰囲気にはなれなくて
僕はヒョンと話していてもなんだか落ち着かなくて
早々にこの話題を切り上げたくなる




「で、この話のオチは何?」

「ん・・・別に・・・ないよ」


笑いながらそういうと、また何事もなかったかのようにPCをいじり始めるヒョン。






よくある、いつもの風景。

よくある、僕とヒョンの日常。



またお互いのぬくもりを感じながら夜を超え
そしてお互いの息づかいを感じる朝を迎える



でも、僕の中には
確実に小さな影を落としていた。





確実に
何かが動き始めている



それはヒョンだけじゃなく
僕だけじゃなく



僕たち2人にしかわからない


2人の間で


何かが動き始めていた












Stand by U ~to the future4~

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ヒョンは最近、よく一人で考え事をしている




ふと見ると
一点を見つめ、遠い未来を見ているかのように、その瞳は深く、まっすぐだ




時としてそれは自己啓発をしているかのようにも見える



僕が周りのスタッフとふざけながら談笑している時でも
ヒョンはそこからすっと抜け出し
モニターをチェックしたりひとりで目を閉じてじっとしている時も多い





僕はそういう時、なるべく邪魔をしないようにしている


「ああ・・いいなあ」って思う


ずっとずっと周りばかり気にかけていたヒョンには、そんな自分と向き合う時間が必要なんだ






そして僕もまた、一人でいろいろなことを考えていた

今目の前にある仕事、何ヶ月か先の仕事、何年か先の仕事、何年か先の未来







そして

ヒョンとの未来のこと・・・







周りから見ると、現場でもあまり話をしない僕らは仲が悪いと思われているかもしれない




でもそれでいいんだ



いいたいやつには言わせておけばいいし
そう思うやつにはそう思わせておけばいい


小さなことにつまづき、考えすぎてしまう僕は
いつのまにかそんな風に良い意味で開き直れるようになっていた



何より大切なのはぶれない僕らの心であって、お互いを信じる気持ちだ





でも



ヒョンが最近僕のことばかり話すのは
どうしたってその裏に隠された何かを、感じ取らざるを得ない




そう



ヒョンは僕を独り立ちさせようとしている





ヒョンはリーダーで、いつでも前面に出てみんなを一人でひっぱってきた人間だ
ドラマもステージもミュージカルも、なんだって一人でやり遂げてきた人間だ


だから今度は僕が独り立ちする番
そうヒョンが思っているのはすごくよくわかる


なんといっても僕らは2人しかいない
この移り変わりの激しい世界に
たった2人で立ち向かおうとしている僕らにとって
不利になる状況は山ほどあるんだ



いつか僕が一人で守らなければならなくなる日が来る
ヒョンは僕のこと、グループのことを第一優先に考えている



わかっている


それは避けられないことなんだ




でも


でもいつか来るその日まで
僕はヒョンとの暮らしを守りたかった
それはヒョンも同じだと思っていた



でも -





「チャンミンは半端じゃないですよ」



僕のことをこう表現したヒョン。
「チャガン・チャンミン」もしくは「シム・チャンミン」としての僕のことを、ありとあらゆるところで褒めまくっている
ありがたいことだけど・・・どうして少し寂しい気持ちになるんだろう



この頃からうすうす僕は気づいていた

あなたが・・・・僕を自分から離そうとしていることを








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あの日

2人で初めて立ったステージ

あんなにも震え、あんなにも緊張し、あんなにも不安だったステージはこれまでなかった


それでも僕が挑めたのは
同じステージの上にあなたがいたからだ


どんな不安なステージだって
どんな疲れているステージだって

めげそうになる僕が限界までがんばれるのは
隣で最高のパフォーマンスを魅せるあなたがいるからだ



僕が自由に僕らしくいられるのは
いつも変わらないあなたが隣にいてくれるからだ





わかっている

好む好まざるにかかわらず
これから僕らに様々な変化を求められる事はわかっていた




ずっと2人で、すっとステージの上で生きられたら
どんなに素敵だろう


でもそれが現実的でないことを
お互い口には出さないけれど、僕らは痛いほどわかっていたんだ










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「ヒョン!!何やってるの!!」
「あ・・・おかえり」
「お帰りじゃなくて・・・すっごく焦げ臭いんだけど」
「ああ・・・フライパンさ・・火付けっぱなしで空焚きしちゃって・・」
「・・・これは・・・?」
「あっこれ?油が足りなかったみたいでこびりついてさ・・・」



見るも無残な・・多分料理と思われるものが、大きなお皿に大量に盛られていた


そして当然ながら戦のあとのような台所


どうして・・この料理でこれだけの鍋が必要なんだろう
どうして・・この料理でこんなに調味料が必要なんだろう



「ヒョン・・・前から思ってたんだけど」
「ん?」
「何かを使ったらすぐにその場で片付けるようにするといいんだよ」
「・・・・味付けが薄かったらまた使うだろ」
「まだその時出せばいい」
「それがめんどくさいんだよ」
「使った鍋はその場ですぐ洗えばいい」
「段取りを忘れちゃうんだよ、洗ってるあいだに」
「たった数秒か数分だろ?」
「その数秒か数分で味が変わるんだよ!」
「・・・・その結果がこの皿の産物か」
「・・・・これは・・・・まあ・・・試作品だよ」
「・・・・一体いつになったら完成品にお目にかかれるのかなあ」
「・・・うるさいなあ。せっかく作ったのに」


ちょっとしょぼくれるあなたが憎らしくもありかわいくもあり

しょうがないな
今日はこれで我慢するよ




「なんで急に料理なんかしようと思ったの?」
「急にじゃないよ。前からちょくちょくはしてたじゃん」
「まあ・・・そうだけど・・・」
「あっそうだ。洗濯機さ、なんか変なエラー表示出て動かないんだけど」
「洗濯もしたの?」



嫌な予感がした

急いで洗濯機を見に行くと・・案の定、僕のお気に入りのTシャツが真っ青になっていた


僕は大げさにため息をつく
怒る気力も・・・失った・・・・



「ヒョン・・・」
「ん?」

できるだけ感情を抑えて言う

「白いものと色物は一緒に洗わないでほしいんだよ」
「なんで?」
「ヒョンのジーパン、この前買ったばっかのやつだろ?ジーパンは色落ちするんだよ。何回かは単独で洗わないと他の物に色が移るんだよ!」
「そうなの?変なの。色落ちしないように売る前に洗っときゃいいのに」




だめだ
この人には正論を正面から突きつけても通用しない




「このエラー表示は『糸くずフィルターを洗え』ってことだよ」
「糸くずフィルター?何それ?」
「ここにあるやつ」
「そんなとこに引き出しあるの?お前、よく知ってるなあ」
「何年この洗濯機・・使ってるんだよ」
「えっ?俺はこんな表示見たの初めてだぜ」
「僕がいつも掃除してるからだよ」
「そうなの?」
「最近クリーニングばっかりだしてたからなかなかできなかったけど」
「そっか~。よし。これでひとつ勉強になったぞ」
「柔軟剤は入れたの?」
「入れたよ。これだろ?」
「ヒョン・・・これは・・・漂白剤だよ」
「えっ?もお~同じような容器がたくさんあってよくわかんないんだよ。一個に全部まとまってるのってないのかよ」






僕はあなたとコントをしてるんじゃない


喉元まででかかった言葉をぐっと飲み込む









こんな日常も
こんなヒョンのイライラする失敗も
こんな僕の小言も
すべてが僕の一部になっていて


いつか終わりが来るなんて
考えたこともなかった





この前のヒョンの発言
僕はずっとひっかかっていたんだ


「チャンミナ、一人暮らししたい?」










2人で存続することに全力だった日々


そしていま


2人で存続するために


1人で守ることを、考えなきゃいけない時








ヒョンはいつも直球勝負

言わなきゃいけないことははっきり言う
言うべきことは必ず言う

でも、自分の中で迷いや葛藤が生じていることに関しては、すごく慎重になる




僕はそんなヒョンをずっと見てきた


だから


今がその時だって、僕にはわかる





ヒョンは迷っている

ヒョンは心の中で戦っている

ヒョンは決めかねている


ヒョンは・・・・・苦しんでいる







だから



僕が・・・答えを出すべきなんだ






僕から




答えを出すべきなんだ






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プロフィール

haruno

Author:haruno
2011年のレコード大賞「why?(Keep Your Head Down)」で伝説の”秒殺トン堕ち”したharunoのブログです。「BL」や「腐」という言葉の意味すら知らなかった私が、もはや脳の9割近くが腐っています(笑)。ユノとチャンミンの「萌え日記」と「妄想小説」をマイペースに書いています。

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