Stand by U ~scene27~
妄想小説です
バックミュージック及びエンディングテーマに「Stand by U」をイメージして文章にしています
飛び飛び更新なので、カテゴリに「まとめ読み」をつくってみました。
もし最初からお読みいただける場合は、カテゴリの「まとめ読み」で「from scene1 to 6」からお読みいただけると嬉しく思います。
「Stand by U ~scene26~」の続きです。
<続きを読む>
から「scene27」がはじまります。
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haruno
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Stand by U ~scene27~
その夜はスタッフ、共演者、そしてヒョンも一緒に
みんなで夕飯を囲んだ
ヒョンは相変わらずサービス精神旺盛で
しゃべるわ食べるわ笑うわで、一気に場が和み、盛り上がった
「・・・・・だよなあ。チャンミナ?」
「・・・えっ?・・あっ?えっと・・・なに?」
僕はぼーっとしていて、ヒョンの言葉を何も聞いていなかった
「この子、いつもこうなんですよ。俺の方が年上なのに全然俺の話を聞かない」
みんながそれに笑う
僕もちょっと照れながら笑う
時々みんなの会話に相槌をうちながらも・・・僕はさっきのヒョンとの会話をずっと頭の中で考えいた
「ユノさん・・・今日は泊まっていくでしょう?」
「えっああ・・まあ・・」
「部屋がさ・・小さなところなんで・・もういっぱいなんですよ」
「あっ・・別に俺はチャンミンの部屋に行くからいいですよ。同じ家に住んでんだから」
「そっか~そうですよね~」
そっか~そうですよね~
あっけないくらいに簡単に納得するスタッフたち
そりゃそうなんだけど・・・
「ふう~くったくった」
部屋に着くなりベッドに大の字に寝っ転がるヒョン
「あんまりちらかすなよ」
僕は荷物の整理をしながら明日の準備をする
「わかってるって~」
絶対わかってない、この男は
なんだか不思議だった
一緒に住んでいるのに、環境が変わるだけでなぜかすごく新鮮だった
そういえば最近はひとりの仕事ばかりで、同じホテルに泊まるなんて久しぶりだもんな・・・
「ヒョンは、そっちのソファーで寝ろよ」
「え~っ?なんで?ジャンケンで決めようぜ~」
「なんでだよ!もともとここは僕の部屋なんだからな」
「お前、年上にベッドを譲らないのか!!」
そんなやりとりをしながら
ふっと、僕もヒョンも笑ってしまう
多分・・・・・同じことを考えている
「昔・・・・よくベッドの取り合いしたな・・・」
「・・・うん・・・・」
「あんなことでバカみたいに盛り上がって・・マジになって・・・」
「・・・・うん・・・」
「お前・・・本気でマネージャーに言いつけに行こうとした時、あったろ」
「ヒョンだって・・マジになって部屋でてったときあったじゃん」
お互いに言い合ってゲラゲラ笑う
こんな風に・・・あの頃を笑えるようになったんだ・・・・
今思うと・・・あの頃は、本当に修学旅行みたいだった
殺人的なスケジュールの中、僕らに残されたほんのわずかなプライベートな時間
つい・・・この間の話しだったように思えるし
もう何十年も前の話しだったようにも思える
あれから・・・・いろんなことが変わった・・
でも、僕とヒョンは
何も変わらず同じ場所にいる
久しぶりに僕とヒョンはいろいろな話をした
オフの旅行にきているかのようなテンションで、2人して大笑いしながら夜を過ごした
気づくと日付はとっくに変わり・・・・
でも不思議と全然眠くなくて・・
「明日も撮影だろ?早く寝たほうがよかったのにな・・」
「あ・・まあ僕の分は結構遅い時間からだから・・大丈夫だよ」
「でもちょっとは寝たほうがいいよな」
そういうとヒョンは約束通り?ソファーに横になって電気を消す
「おやすみ」
「ん・・・おやすみ・・・」
・・・とはいったものの・・・僕は全然眠れなかった
いろんなことを考えていた
いろんなことを思い出していた
昔のこと、今のこと、未来のこと
・・・夕方の・・ヒョンの話
「・・・ヒョン・・・」
「・・・ん?」
「起きてる?」
「・・・ん・・・」
「なんか・・・やっぱり眠れなくて・・・」
「実は・・・俺も・・・」
外はまだ真っ暗だったけど
もう夜明けは近かった
「チャンミナ、さっき行った海、もう一度見に行かない?」
「えっ?今から?」
ヒョンの唐突な誘いに面食らう
「うん、今から。まだ間にあうよな、日の出」
そりゃあ間に合うだろうけど・・
「太陽が昇る時の海、見たことあるか?」
「ないけど・・・」
「すっげ~感動するよ」
「ヒョン、見たことあるの?」
「あるよ・・何度も・・・」
いつ?って聞こうと思ったけど・・なんとなくその言葉を飲み込む
「よし!行こう!支度しろよ!」
いつもの通り、こう、と決めたら即行動のヒョン
全くこの人は・・・
でもなんだかんだいって・・・結局僕もその気になっていた
夜明けの海はまだ薄暗くて肌寒くて
でも少しずつ明るくなっている遠くの空は、本当に美しかった
「今日も・・晴れるな」
「・・・うん・・」
「チャンミナ・・・寒くないか?」
「ん・・・厚着してきて正解」
「よかった。こんなとこで風邪ひかれたら、周りのスタッフに申し訳ないからな・・」
いつだって周囲を気にかけるヒョン
だから・・・人より余計に傷つくんだ
「俺さ・・・」
海を見ながら、ヒョンが話し始める
「迷って・・不安で・・・どうしようもなくなった時・・よくひとりで海にいったんだ
・・・太陽が昇るの見ながらさ
なんでこうなっちゃったんだ
どうして俺は何もできなかったんだって
そんなことばっかり考えてて・・・」
ヒョンが荒れていた時期・・・
そんな風にして・・・ひとりで過ごしていたんだ・・・
「でも・・ある時さ、”今大事なものを見失うな”って言われて・・・
気づいたんだよ
俺にとって1番大切なものがなんなのか・・」
その時
ひとすじの光が・・水面を反射する
「ほらほら!チャンミナ、見ろよ!すげ~だろ!綺麗だろ!」
ヒョンが興奮しながら水平線から少しずつ頭を出す太陽を指さす
キラキラと乱反射する光
本当だ・・・
言葉にできないくらい・・本当にきれいだ
僕は昇りゆく太陽に、畏敬の念すら抱いていた
「ヒョン・・・」
「ん?」
「・・・来てくれて・・・ありがと・・」
ヒョンが僕を見つめる
「うまく・・・言えないけどさ・・・・」
僕は恥ずかしくなって・・・うつむいてしまう
「僕は・・・・いつもヒョンたちのうしろで・・・できるだけうまく振舞おうってそればかり考えてた」
「・・・ん・・・」
「だから・・・無我夢中でここまでやってきて・・・その瞬間頑張るので精一杯で・・・」
「ん・・・」
「だから・・ヒョンみたく先のことがはっきり見えてなかったんだ」
「・・ん・・・」
-でも
「でも、僕は僕なりにこの仕事に楽しみを見い出してるし・・・・ヒョンを見ていて・・・僕ももっと頑張りたいって・・・心から思えるようになったんだ」
ヒョンが・・・本当に優しい目で・・僕を見つめる
-僕は
「僕も・・・どこまで行けるか・・・やってみたい」
顔を上げ、ヒョンの目をまっすぐ見て、はっきりと言った
「ヒョンと一緒に・・・僕が・・僕たち2人がどこまで行けるか」
-これが、ヒョンの思いに対する僕なりの答えだった
明るく輝く海と空を背に
ヒョンは少し笑って・・僕に軽く片手をあげる
僕も、ヒョンのその手に自分の手を合わす
お互いしっかり握って
肩と肩をぶつけて
ヒョンが僕を引き寄せ、抱きしめた
-背中を・・トントン
「ありがとう、チャンミナ・・・」
その時
初めて心に引っかかっていたものが、すべて取り除かれた気がした
頑なだった僕の心が
ゆっくりと、とかされていくような気がした
「太陽はさ・・・誰にでも平等に新しい1日を与えてくれるんだって」
「へえ・・・それ聖書にでも書いてあんの?」
「ちがうよ。ユノ語録」
「なんだそれ」
お互いふっと笑い合う
でも、本当にその通りだと思う
僕らの未来には、なんの確証もないけど
それでも与えられたこの新しい1日を
ヒョンと2人で歩きだそうと思うんだ
僕らの道を
信じて歩こうと思うんだ

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その夜はスタッフ、共演者、そしてヒョンも一緒に
みんなで夕飯を囲んだ
ヒョンは相変わらずサービス精神旺盛で
しゃべるわ食べるわ笑うわで、一気に場が和み、盛り上がった
「・・・・・だよなあ。チャンミナ?」
「・・・えっ?・・あっ?えっと・・・なに?」
僕はぼーっとしていて、ヒョンの言葉を何も聞いていなかった
「この子、いつもこうなんですよ。俺の方が年上なのに全然俺の話を聞かない」
みんながそれに笑う
僕もちょっと照れながら笑う
時々みんなの会話に相槌をうちながらも・・・僕はさっきのヒョンとの会話をずっと頭の中で考えいた
「ユノさん・・・今日は泊まっていくでしょう?」
「えっああ・・まあ・・」
「部屋がさ・・小さなところなんで・・もういっぱいなんですよ」
「あっ・・別に俺はチャンミンの部屋に行くからいいですよ。同じ家に住んでんだから」
「そっか~そうですよね~」
そっか~そうですよね~
あっけないくらいに簡単に納得するスタッフたち
そりゃそうなんだけど・・・

「ふう~くったくった」
部屋に着くなりベッドに大の字に寝っ転がるヒョン
「あんまりちらかすなよ」
僕は荷物の整理をしながら明日の準備をする
「わかってるって~」
絶対わかってない、この男は
なんだか不思議だった
一緒に住んでいるのに、環境が変わるだけでなぜかすごく新鮮だった
そういえば最近はひとりの仕事ばかりで、同じホテルに泊まるなんて久しぶりだもんな・・・
「ヒョンは、そっちのソファーで寝ろよ」
「え~っ?なんで?ジャンケンで決めようぜ~」
「なんでだよ!もともとここは僕の部屋なんだからな」
「お前、年上にベッドを譲らないのか!!」
そんなやりとりをしながら
ふっと、僕もヒョンも笑ってしまう
多分・・・・・同じことを考えている
「昔・・・・よくベッドの取り合いしたな・・・」
「・・・うん・・・・」
「あんなことでバカみたいに盛り上がって・・マジになって・・・」
「・・・・うん・・・」
「お前・・・本気でマネージャーに言いつけに行こうとした時、あったろ」
「ヒョンだって・・マジになって部屋でてったときあったじゃん」
お互いに言い合ってゲラゲラ笑う
こんな風に・・・あの頃を笑えるようになったんだ・・・・
今思うと・・・あの頃は、本当に修学旅行みたいだった
殺人的なスケジュールの中、僕らに残されたほんのわずかなプライベートな時間
つい・・・この間の話しだったように思えるし
もう何十年も前の話しだったようにも思える
あれから・・・・いろんなことが変わった・・
でも、僕とヒョンは
何も変わらず同じ場所にいる
久しぶりに僕とヒョンはいろいろな話をした
オフの旅行にきているかのようなテンションで、2人して大笑いしながら夜を過ごした
気づくと日付はとっくに変わり・・・・
でも不思議と全然眠くなくて・・
「明日も撮影だろ?早く寝たほうがよかったのにな・・」
「あ・・まあ僕の分は結構遅い時間からだから・・大丈夫だよ」
「でもちょっとは寝たほうがいいよな」
そういうとヒョンは約束通り?ソファーに横になって電気を消す
「おやすみ」
「ん・・・おやすみ・・・」
・・・とはいったものの・・・僕は全然眠れなかった
いろんなことを考えていた
いろんなことを思い出していた
昔のこと、今のこと、未来のこと
・・・夕方の・・ヒョンの話
「・・・ヒョン・・・」
「・・・ん?」
「起きてる?」
「・・・ん・・・」
「なんか・・・やっぱり眠れなくて・・・」
「実は・・・俺も・・・」
外はまだ真っ暗だったけど
もう夜明けは近かった
「チャンミナ、さっき行った海、もう一度見に行かない?」
「えっ?今から?」
ヒョンの唐突な誘いに面食らう
「うん、今から。まだ間にあうよな、日の出」
そりゃあ間に合うだろうけど・・
「太陽が昇る時の海、見たことあるか?」
「ないけど・・・」
「すっげ~感動するよ」
「ヒョン、見たことあるの?」
「あるよ・・何度も・・・」
いつ?って聞こうと思ったけど・・なんとなくその言葉を飲み込む
「よし!行こう!支度しろよ!」
いつもの通り、こう、と決めたら即行動のヒョン
全くこの人は・・・
でもなんだかんだいって・・・結局僕もその気になっていた

夜明けの海はまだ薄暗くて肌寒くて
でも少しずつ明るくなっている遠くの空は、本当に美しかった
「今日も・・晴れるな」
「・・・うん・・」
「チャンミナ・・・寒くないか?」
「ん・・・厚着してきて正解」
「よかった。こんなとこで風邪ひかれたら、周りのスタッフに申し訳ないからな・・」
いつだって周囲を気にかけるヒョン
だから・・・人より余計に傷つくんだ
「俺さ・・・」
海を見ながら、ヒョンが話し始める
「迷って・・不安で・・・どうしようもなくなった時・・よくひとりで海にいったんだ
・・・太陽が昇るの見ながらさ
なんでこうなっちゃったんだ
どうして俺は何もできなかったんだって
そんなことばっかり考えてて・・・」
ヒョンが荒れていた時期・・・
そんな風にして・・・ひとりで過ごしていたんだ・・・
「でも・・ある時さ、”今大事なものを見失うな”って言われて・・・
気づいたんだよ
俺にとって1番大切なものがなんなのか・・」
その時
ひとすじの光が・・水面を反射する
「ほらほら!チャンミナ、見ろよ!すげ~だろ!綺麗だろ!」
ヒョンが興奮しながら水平線から少しずつ頭を出す太陽を指さす
キラキラと乱反射する光
本当だ・・・
言葉にできないくらい・・本当にきれいだ
僕は昇りゆく太陽に、畏敬の念すら抱いていた
「ヒョン・・・」
「ん?」
「・・・来てくれて・・・ありがと・・」
ヒョンが僕を見つめる
「うまく・・・言えないけどさ・・・・」
僕は恥ずかしくなって・・・うつむいてしまう
「僕は・・・・いつもヒョンたちのうしろで・・・できるだけうまく振舞おうってそればかり考えてた」
「・・・ん・・・」
「だから・・・無我夢中でここまでやってきて・・・その瞬間頑張るので精一杯で・・・」
「ん・・・」
「だから・・ヒョンみたく先のことがはっきり見えてなかったんだ」
「・・ん・・・」
-でも
「でも、僕は僕なりにこの仕事に楽しみを見い出してるし・・・・ヒョンを見ていて・・・僕ももっと頑張りたいって・・・心から思えるようになったんだ」
ヒョンが・・・本当に優しい目で・・僕を見つめる
-僕は
「僕も・・・どこまで行けるか・・・やってみたい」
顔を上げ、ヒョンの目をまっすぐ見て、はっきりと言った
「ヒョンと一緒に・・・僕が・・僕たち2人がどこまで行けるか」
-これが、ヒョンの思いに対する僕なりの答えだった
明るく輝く海と空を背に
ヒョンは少し笑って・・僕に軽く片手をあげる
僕も、ヒョンのその手に自分の手を合わす
お互いしっかり握って
肩と肩をぶつけて
ヒョンが僕を引き寄せ、抱きしめた
-背中を・・トントン
「ありがとう、チャンミナ・・・」
その時
初めて心に引っかかっていたものが、すべて取り除かれた気がした
頑なだった僕の心が
ゆっくりと、とかされていくような気がした
「太陽はさ・・・誰にでも平等に新しい1日を与えてくれるんだって」
「へえ・・・それ聖書にでも書いてあんの?」
「ちがうよ。ユノ語録」
「なんだそれ」
お互いふっと笑い合う
でも、本当にその通りだと思う
僕らの未来には、なんの確証もないけど
それでも与えられたこの新しい1日を
ヒョンと2人で歩きだそうと思うんだ
僕らの道を
信じて歩こうと思うんだ
