Eternal Time
Eternal Time
いつの日からか
僕は一人で過ごす時間に違和感がなくなってきていた
「求める」ことの寂しさと同じくらい
「慣れる」現実もまた、寂しいんだということを、僕はひしひしと感じていた
めんどくさいな
本当に僕はめんどくさい
そんな風ににして季節が流れていく中で
再び訪れた必然とも感じられるヒョンとの同居生活
せっかく慣れたのに・・・・
せっかくぽっかりとあいた空間に心も体も慣れ始めたところだったのに
ヒョンは当たり前のような顔をして、するりと僕のその隙間を埋めていくんだ
相変わらずのやりっぱなし癖
シャワーの温度はぬるいし
風呂場でいつまでも大声で歌うし
出かける直前にあれがないこれがない騒ぐし
かと思うと、大抵ぐちゃぐちゃなカバンの奥底で見つかるし
僕はというと、そんなヒョンを微笑ましく思う余裕もなく
僕は僕で相変わらずヒョンに怒ってばかりいる
ありふれていた日常
めまぐるしく過ぎていった毎日
今思えば、気が遠くなるほど幸せだった日々
けれどぼくらは離れることを選択したんだ
永遠を信じるための決断
連日のリハで僕らの体は悲鳴をあげていたけれど
それでも1日の終わりに僕の心を満たすこの充実感は何なんだろう
夢に向かう高揚感か
ヒョンと過ごせる日常か
多分そのどちらもなんだろう
手に届いて、実際に触れることのできる夢のような現実
手に届いて、実際に触れることのできる現実のような夢
良くも悪くもあまりに多くのことを経験しすぎた僕らには
目の前のそれが、現実なのか夢なのか、時々わからなくなる
でも僕の体に確かに残るこの痛みは
夢が現実のものになろうとしている証拠なんだろう
「ヒョン?」
「ん?」
「もう寝たほうがいいんじゃない?」
「・・・ん・・・・・って・・お前もだろ・・」
「・・・・・」
「眠れない?」
「・・・・・ヒョンは?」
「体は疲れてんだけどな。なんか頭は妙に冴えてるんだよ。明日からだと思うとな」
それは僕も同じで
体と心のアンバランスさが気になって、どうにも眠れそうにない
「・・・・チャンミナ・・・・」
「・・・ん?」
お互いにPCをいじりながら顔も見ずに会話する。
「・・・・・ありがとな・・・」
「・・・・は?・・・・・何が?」
「・・・別に。なんかいいたくなった」
「・・・なんか変なもんでもくったか?」
「またすぐそういうことを言う」
ヒョンの言いたい何かを感じながら
僕はわざととぼけたふりをする
今更・・・
照れくさくて・・改まれるわけないじゃないか
「ヒョン」
「ん?」
「・・・・好き勝手・・・やっていいよ」
「あ?」
「最後はなんとかするから・・。ヒョンの好きなようにやれよ」
「・・・・・言うね~」
ヒョンは鼻で笑いながら、口の端をちょっと上げる
「じゃ・・・先寝るよ・・おやすみ」
「チャンミナ」
「・・・・ん?」
「わかってるよ」
ベッドに向かう僕の背中に、不意にヒョンが声をかける
「なにが?」
「俺はなんも心配してねーよ。お前がいれば」
返事の代わりに親指をあげて、僕はリビングを出る。
そっくりそのまま返してやるよ
僕だってヒョンがとなりにいてくれれば
なんの躊躇もなく
僕は僕でいられるんだ
窓を開けて、空を見上げる
きれいな明るい月がぽっかりと浮かんでいた
空を見上げてはホームシックになっていたあの頃
こんな風な気持ちで同じ空を見上げる日が来るなんて、想像もできなかった
ヒョン
あなたがいたからここまで来れた
僕たちの過ごしたつらい季節は
ここにたどり着くために神様が用意した時間だったのかな
2人でスタートしたあの日
僕はあの日々からのゴールじゃなく、新たなスタートラインに立ったと思った
僕は今、目指していた夢に手が届こうとしている
果たしてこれはゴールなのか
その時が来なければ僕にはまだわからないけど
全てが終わったとき
ふと横をみると
やっぱりとなりにあなたがいて
心の底から笑う僕がいると思うんだ
『いつか世界の終わりに
思い出す風景があるとしたら』
それはきっと
あなたのとなりで眺めるこのレッドオーシャン
夢が現実になる時
僕は何を思うんだろう
でも僕とヒョンはきっと何も変わらない
あなたは人知れずそっと手を合わせ
静かに祈りを捧げるのだろう
そして僕は、いつもの儀式を静かに待つ
―大丈夫
背中をポンポンとおされ、何も言わずに手を合わせるんだ
重ねた手から
2人にしかわからない想いが伝わり合って
そして僕らはいつもと同じ、あの光の先へと歩き出すのだろう
ヒョン
あなたに出会えてよかった
今、改めて思うんだ
あと数時間後には
僕らの永遠の時が動き出す
夢が見つからなかった少年が
それを今か今かと待ちわびているんだ
不思議だろ・・・・?
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いつの日からか
僕は一人で過ごす時間に違和感がなくなってきていた
「求める」ことの寂しさと同じくらい
「慣れる」現実もまた、寂しいんだということを、僕はひしひしと感じていた
めんどくさいな
本当に僕はめんどくさい
そんな風ににして季節が流れていく中で
再び訪れた必然とも感じられるヒョンとの同居生活
せっかく慣れたのに・・・・
せっかくぽっかりとあいた空間に心も体も慣れ始めたところだったのに
ヒョンは当たり前のような顔をして、するりと僕のその隙間を埋めていくんだ

相変わらずのやりっぱなし癖
シャワーの温度はぬるいし
風呂場でいつまでも大声で歌うし
出かける直前にあれがないこれがない騒ぐし
かと思うと、大抵ぐちゃぐちゃなカバンの奥底で見つかるし
僕はというと、そんなヒョンを微笑ましく思う余裕もなく
僕は僕で相変わらずヒョンに怒ってばかりいる
ありふれていた日常
めまぐるしく過ぎていった毎日
今思えば、気が遠くなるほど幸せだった日々
けれどぼくらは離れることを選択したんだ
永遠を信じるための決断
連日のリハで僕らの体は悲鳴をあげていたけれど
それでも1日の終わりに僕の心を満たすこの充実感は何なんだろう
夢に向かう高揚感か
ヒョンと過ごせる日常か
多分そのどちらもなんだろう
手に届いて、実際に触れることのできる夢のような現実
手に届いて、実際に触れることのできる現実のような夢
良くも悪くもあまりに多くのことを経験しすぎた僕らには
目の前のそれが、現実なのか夢なのか、時々わからなくなる
でも僕の体に確かに残るこの痛みは
夢が現実のものになろうとしている証拠なんだろう

「ヒョン?」
「ん?」
「もう寝たほうがいいんじゃない?」
「・・・ん・・・・・って・・お前もだろ・・」
「・・・・・」
「眠れない?」
「・・・・・ヒョンは?」
「体は疲れてんだけどな。なんか頭は妙に冴えてるんだよ。明日からだと思うとな」
それは僕も同じで
体と心のアンバランスさが気になって、どうにも眠れそうにない
「・・・・チャンミナ・・・・」
「・・・ん?」
お互いにPCをいじりながら顔も見ずに会話する。
「・・・・・ありがとな・・・」
「・・・・は?・・・・・何が?」
「・・・別に。なんかいいたくなった」
「・・・なんか変なもんでもくったか?」
「またすぐそういうことを言う」
ヒョンの言いたい何かを感じながら
僕はわざととぼけたふりをする
今更・・・
照れくさくて・・改まれるわけないじゃないか
「ヒョン」
「ん?」
「・・・・好き勝手・・・やっていいよ」
「あ?」
「最後はなんとかするから・・。ヒョンの好きなようにやれよ」
「・・・・・言うね~」
ヒョンは鼻で笑いながら、口の端をちょっと上げる
「じゃ・・・先寝るよ・・おやすみ」
「チャンミナ」
「・・・・ん?」
「わかってるよ」
ベッドに向かう僕の背中に、不意にヒョンが声をかける
「なにが?」
「俺はなんも心配してねーよ。お前がいれば」
返事の代わりに親指をあげて、僕はリビングを出る。
そっくりそのまま返してやるよ
僕だってヒョンがとなりにいてくれれば
なんの躊躇もなく
僕は僕でいられるんだ

窓を開けて、空を見上げる
きれいな明るい月がぽっかりと浮かんでいた
空を見上げてはホームシックになっていたあの頃
こんな風な気持ちで同じ空を見上げる日が来るなんて、想像もできなかった
ヒョン
あなたがいたからここまで来れた
僕たちの過ごしたつらい季節は
ここにたどり着くために神様が用意した時間だったのかな
2人でスタートしたあの日
僕はあの日々からのゴールじゃなく、新たなスタートラインに立ったと思った
僕は今、目指していた夢に手が届こうとしている
果たしてこれはゴールなのか
その時が来なければ僕にはまだわからないけど
全てが終わったとき
ふと横をみると
やっぱりとなりにあなたがいて
心の底から笑う僕がいると思うんだ
『いつか世界の終わりに
思い出す風景があるとしたら』
それはきっと
あなたのとなりで眺めるこのレッドオーシャン
夢が現実になる時
僕は何を思うんだろう
でも僕とヒョンはきっと何も変わらない
あなたは人知れずそっと手を合わせ
静かに祈りを捧げるのだろう
そして僕は、いつもの儀式を静かに待つ
―大丈夫
背中をポンポンとおされ、何も言わずに手を合わせるんだ
重ねた手から
2人にしかわからない想いが伝わり合って
そして僕らはいつもと同じ、あの光の先へと歩き出すのだろう

ヒョン
あなたに出会えてよかった
今、改めて思うんだ
あと数時間後には
僕らの永遠の時が動き出す
夢が見つからなかった少年が
それを今か今かと待ちわびているんだ
不思議だろ・・・・?
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