after a scandal
after a scandal

スキャンダル記事を実際目にした時には
やっぱりいい気持ちがしない
またはじまったよ・・・って思うけど
でも笑って一蹴できるほど・・・僕は大人じゃない
しかもよりにもよってこの時期か
ヒョンが仕事でそばにいないときに限って、僕を不安にさせるんだ
仲間から次々にメールがくる
「ははは。久々やっちゃったな、ヒョン!」
みんないつものお騒がせ記事ってわかってるから、そんな軽いジョークを飛ばす
だから僕もジョークで返す
「普通の男って証明か」
本当は・・・そんな軽く返せる気分じゃない
お互いの私生活にはあまり口を出さないようにしているけど
それは暗黙の了解があってのこと
信じてるけど・・・
ヒョンは・・・すごくもてる
「お前は隙だらけなんだよ」って言われたけど
僕から言わせればヒョンは「空き」だらけだ
誰に対しても分け隔てない愛情を持って接するから
「この人の隣は空いているんじゃないか」って思わせる
だから次から次へとその「空き」を狙って(っていったら言葉が悪いけど)
綺麗な綺麗な女の人たちが群がるんだよ
自分でわかってんのかな
この天然カリスマ色男は・・・
ヒョンが帰国した
お互い1人での仕事にも慣れてきた頃だ
ここに帰ってくるってわかっていても
それでもなんとなく・・・いつも一緒にいる人がそばにいないのは寂しい
お互い様の過密スケジュールだけど
今回のヒョンは、コンサートと映画撮影が重なった、あの時の僕のしんどさを彷彿させるスケジュールだ
帰国したヒョンは、思ったよりは顔色はよかった
でも、疲れていてもなかなか顔には出さない人だ
周りのスタッフや仲間に、コンサートやミュージカルのことを意気揚々と話している
ほんと・・・どんだけタフなんだ・・・
ほんと・・・どんだけ人に心配かければ気が済むんだよ・・・
「お疲れ・・・・」
やっと2人きりになって、ヒョンに声をかける
「ん・・・・」
ヒョンは僕と2人になると、途端に言葉が少なくなる
周りにスタッフや仲間がいるときは「少し黙れよ」って思うくらいしゃべるけど
僕といるときには必要最低限のことしか話さない時もある
でも僕はそんな感じが正直嫌ではない
僕もどちらかというと言葉が多い方ではないし
ヒョンがそうやっているのは僕の前だけだし
僕の前ではリラックスしているのかなとか
少しでも気を休めることができているのかなとか
そう考えるとうれしくなる
言葉がない分、信頼関係が厚くなっているのも感じている
でも・・・・
「疲れているところだけどさ・・・ニュース・・見た?」
「ん・・・見たよ。すぐにメールがバンバン入ってきた」
ヒョンが軽く鼻で笑う
「大変だった?」
「いや・・別に・・上がすぐ動いてくれたし・・・」
「ふ~ん・・・」
それ以上の言葉が出てこない
肝心な事が聞けない
-いつものことだ
だから僕はつい可愛げのないことを言う
「自分で”今は恋愛はいい”なんていったんだから、身の回り、ちゃんとしろよな」
何かすぐ言い返すかと思ったけど・・ヒョンはしばらく黙っていた
「お前がさ~」
「・・・?」
「インタビューで変なこというからだ」
「・・・え・・・?」
「ヒョンが3年くらいゲイだとかなんとか・・・・」
ついつい冗談交じりに出てしまった言葉
「だって・・・あれは・・・・」
あれは・・・・
記者が恋愛関係の話ばかり聞いてくるし
世間では僕らの仲を・・・そういうふうに見ている人もいるし
僕としては・・・詮索されたくなかったし
だからついつい出てしまった言葉だった
言ってしまって活字になったのを見ると
正直、ちょっとしまった・・・て思ったけど
「なに?ゲイではない証明に、女と付き合うの?」
「・・・バ~カ」
僕が少し動揺してるの・・・わかってんのかな
僕が挑発的なことを言っても、ヒョンは全然のってこない
こういう余裕が、むかつくんだよな
「ま、別にいいけどさ」
これ以上話しても・・・イライラするだけだ
ふう~
ヒョンが大きくため息をつく
「・・・チャンミナ」
ヒョンが覗き込むように僕の目を見る
何かを言い聞かせる時のヒョンの癖だ
「信じろっていったろ?」
ああむかつく
どうしてこの人は僕の心を見透かすんだろう
どうして・・1番欲しい言葉が・・・わかるんだろう
言葉の少ない僕たち
目だけで分かり合えることもたくさんあるけど
未来がふと見えなくなるときもある
だから
しっかりとつなぎとめておいて欲しい時もあるんだ
久しぶりのお騒がせだったけど
僕らにとってはいい刺激だったかな
「さっ練習練習!」
次へ向けてスタートをきるあたなに
僕は信じてついていこう

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