from scene19 to 22



Stand by U ~scene19~
LA_skyline_convert_20121110224125.jpg


ヒョンが、少し変わった



お酒が入った状態で帰ってくることが少なくなった
変な時間に帰ってくることもほとんどない
家でも、あまり飲んでいる形跡はない

もちろん僕が飲んでいれば隣で少し飲んだりもする
でも僕のビールを一口二口もらうだけだ

「だったら飲めばいいじゃん」と僕が言うと
「この二口くらいがちょうどうまいって感じるんだよ」
とわけのわからない理論を自信有りげに言う



でも、何かに向けてヒョンが歩きだしたのはわかる




夢の人の夢の舞台

ヒョンが迷っていたのは知っていたけど、あの夜、ヒョンは僕に挑戦することを宣言した
相談、というより、宣言。決意表明。



僕は・・・正直・・複雑だった



ヒョンが、例えようもない大きなものを背負って下した決断であることが想像できたから


だから
がんばって、とか、応援するよ、とか
そんな軽い言葉では片付けられなかった

僕らは十分すぎるほど傷ついてきた



ただただ、僕は心から願うだけだ

どうかそのステージが成功しますように




この人はステージで輝く人だ

ステージの上で生きて、死ねる人だ




もちろん、僕たちの未来になんの確証もないけど
ヒョンが暗闇のトンネルから一歩を踏み出してくれる


この一歩が 僕らの未来に少し光を見い出してくれる

ヒョンがレッスンに打ち込む姿を見ていると
そんな気がしていた




僕はといえばどうだろう

相変わらずの引きこもり生活を送っていたが
少しずつ少しずつ、何かに向けて歩き出さなければならないことはわかっていた



早朝の誰もいないレッスン場
夜中の、静まり返ったレッスン場


他の仲間のスケジュールがない時間しかレッスン場が使えないから、どうしてもそんな時間になってしまう
少し前までは、考えられないことだった


僕とヒョンだけのレッスン場
靴と床のこすれる「キュっ」と言う音が鳴り響く


僕とヒョンの間には、なんの会話もない
ただ汗だくになりながら、振りの確認を淡々とするだけ
でも言葉はなくても、僕とヒョンはこの積み重ねていく日々が未来へ続くと信じるしかなかった


一緒に積み重ねていく時間が
一緒に乗り越えていく時間が
僕らには何より必要だった


ひとりきりだったら、とうに耐えられなかっただろう





そんな中で、僕は時間を見つけて彼女と会っていた
会うことに断る理由もなく、会えばあったで楽しい時間を過ごせる


けれど
ステージにかけるヒョンの姿を見ていると、僕はとても複雑な気持ちになっていた


このままでいいのだろうか
僕は自分の心に正直に生きているのだろうか



彼女を大切にできるのか
彼女のそばにいてあげられるのか

彼女のことを愛しているのか


僕はいろんなことが複雑に絡まった現実に、自分の気持ちを整理できないでいた






そして、ヒョンが仕事のために渡米した


自分一人残った部屋が、とてつもなく大きく感じる
5人が2人になり、少しずつヒョンと2人で埋めていった空間
お互い別々の仕事が入っていても、必ず帰るところはここだった


僕は不思議だった


あんなに苦手だった他人との共同生活が、今や僕の1番落ち着ける場所になっている
今はヒョンと過ごすこの家が、僕の帰る場所だった


ヒョンがいることが当たり前のリビング
互いのシャワーを浴びる音
一緒に見るTV
最後には喧嘩になる対戦ゲーム


出しっぱなしのペットボトルを片付けて
開けっ放しのペットボトルの蓋を閉め
ヒョンが散らかしたゴミを片付け
そこらじゅうにある洗濯物を集めてまわす


イライラすることも多いけど
喧嘩になることもあるけれど
いつもヒョンが変わらずそばにいてくれる
だたそれだけで、僕はどれだけ心強かっただろう

どれだけ救われただろう




ヒョンのいない部屋
ヒョンのいない時間



こんなにも心に穴があいたように感じるものなのか

この気持ちをなんて表現すればいいんだろう





僕はヒョンが散らかした洗濯物や漫画を片付けながら


遠い異国の地で頑張っているヒョンに
静かな思いを馳せていた








Stand by U ~scene20~
da8baaf55d1fe944_S_convert_20121112212531.jpg




帰ってきてからのヒョンは、僕から見ても呆れるくらいレッスンに励んだ

その集中力と忍耐力はもう神がかり的だった
声をかけることすらためらわれる


でも家に帰ればいつものヒョンだ
だらしないところは相変わらずだし
僕と2人のときはとてもリラックスしているように見えた


ステージではカリスマなヒョン
どんな難しい振りでも完璧にこなす

そんなヒョンでも、やはり今回ばかりはプレッシャーが違ったようだった


「チャンミナ」

「あ?」


だいたいヒョンが何かを言う時はシャワーのあとだ
それぞれ忙しくて、滅多に家でゆっくりする時間はないのだから、どうしても寝る前のその時間になってしまう
そして大抵僕がゲームかPCをしているときだ
僕にしたってその時間しかそんなことできやしない



「前日のリハさ・・」

いつも通り頭を乾かしながらヒョンが言う


「見にこられる?」



意外だった

リハを見に来て欲しいなんて、今までヒョンの口から聞いたことがなかった


それだけ、ヒョンもこのステージにプレッシャーを感じていることがわかる
僕は正直すごく嬉しかった
えらそうなことは言えないけど、僕が見ることで少しでもヒョンの役に立てるなら


でも・・・


「ん・・・何時から?」

「まあ・・多分1日通してやってると思うんだけど」

「そっか・・・・」

「仕事?」

「ん・・・・いや・・・・・」

「あ・・・約束?」

「あ・・・ああ・・・うん・・・」

「それだったらいいよ。もちろんそっち優先しろよ」




ヒョンも僕の歯切れの悪さで、なんの約束かは想像できたようだ

もしいつもの仲間でつるむのなら僕はすぐに言うし
もしいつもの仲間なら・・・
当然、ヒョンを優先した




彼女と、先日喧嘩をした
喧嘩、といっても言い合いをしたわけではない
煮え切らない僕の態度で彼女を傷つけたことはわかっていた

ちょうどヒョンのステージの前日が僕らの記念日にあたっていて
彼女がどうしてもその日は空けておいて欲しいと言っていた

彼女を傷つけたくない
彼女は何も悪くない
悪いのは僕だ




「でも・・・もしいけそうなら・・・・」

「あっいいいい、うそだようそ。暇そうにしてたらって思ってさ」

「・・ん・・・」

「なんだよ。当たり前だろ。そっち大事にしてあげろよ」




この複雑な想いはなんなんだろう

当たり前だろ?彼女を優先するなんて




でも・・・・





一体僕はどうしたいんだろう










ヒョンは文字通り、血の滲むような努力をして

僕から見ても「やりすぎだろう」って心配になるくらい

でも誰も止めることはできなくて






そうしてステージの前日を迎えた






ヒョンは昨日も日付が変わった頃に帰ってきて、そのまま倒れこむように寝てしまった


朝起きたヒョンは・・
気のせいか少し調子が悪そうに見えた
どっちかというとステージが近づくとテンションがあがって、人を寄せ付けないような気合オーラがみなぎる人なんだけど

なんだか少し・・・ちがう


「ヒョン・・・」

「ん・・・」

「・・・大丈夫?」

「ん?なにが?」

「いや・・・なんか・・」


いつも通りにネットを見ながらコーヒーを飲むヒョンを見て、これ以上の言葉を失う
口に出すと本当になりそうだから、僕はそのことには触れなかった



「今日は帰ってくるんでしょ?」

「ああ・・・多分・・・遅くなると思うけど」

「そっか・・・」

「お前も遅いんだろ?」



・・・なんだよ、その言い方

僕はなぜか少しムッとして何も答えなかった



「じゃ、いくわ」

マネージャーの車が迎えに来て、ヒョンがでかける

「あ・・・ヒョン・・・」

「ん?」

「・・・・あまり・・・無理しないで・・・」


この人に言っても100%無駄な言葉だけど、それでもなぜか今日のヒョンには言いたかった

ヒョンはにやりと笑って親指を立てた

僕はヒョンの後ろ姿を見送りながら、なぜか気持ちが落ち着かずにいた







lrg_17893128.jpg






彼女との約束の時間が近づき、僕は車を走らせていた
もうすぐ会えるっていうのに、僕が考えているのはリハのヒョン

そのステージ自体にももちろん興味がある

最高のスタッフ、最高のダンサー、最高のバンド
どんなふうにアレンジされて、どんなふうな舞台になるのか

やっぱり自分も舞台人だな
色気もへったくれもあったもんじゃない





そんなとき


ふと携帯にメールの着信が入った
僕は車を側道に止め、メールを確認した

ヒョンのマネージャーからだった








「ユノが倒れた」








その文字を見た瞬間、心臓がおかしくなったんじゃないかと思うくらい早鐘を打った

画面をスクロールする指が震える








「もう病院だしスタッフもいるから大丈夫だけど、いちおう一晩入院することになると思うから、チャンミンに伝えておこうと思って」









だからいわんこっちゃない

だから無理すんなっていったんだ

いつだってそうだ





僕は気が動転していて、何をどうしていいかわからなかった





行かなきゃ

ヒョンのところに行かなきゃ

事務所のスタッフもいる
もちろん病院のスタッフもいる
僕が行かなくったって大丈夫なことはわかっている


でも

僕が行かなきゃ





僕は焦る気持ちをどうにかおさえて、今自分がするべきことを整理する


-彼女


何ヶ月も前からこの日を待っていた
いつも我慢ばかりさせていた
いつも僕を支えてくれるのに、僕は何もしてあげられない


でも

僕はヒョンのそばに行かなきゃ


僕の意思で
僕の嘘のない正直な心で
僕は今すぐにヒョンのそばに行きたかった




「ごめん・・どうしても・・ダメなんだ」




言い訳すら見当たらない
彼女を傷つけない、うまい言葉すら見つからない
僕はそれだけいうのが精一杯だった



「わかった」



彼女も何か感じるものがあったのか
本当に短い電話で終わる



ヒョンのことを言っても良かった
今の状況をよく知っている彼女だから、それは理解してくれただろう

でも、違う気がした
ヒョンのことを持ち出すのも違う気がしたし、それを言ってわかってもらうのも違う気がした

これ以上彼女を傷つけたくない
その場限りの言い訳は、もっと傷つけるだけだ









早く、一刻も早くヒョンに会いたい



僕しかいないんだ

ヒョンを理解し、支えられるのは僕しかいないんだ




どこをどう曲がったのかすら覚えていない
信号で止まったのかすらあやうい



僕はヒョンのマネージャーが教えてくれた病院に

ただひたすらに車を走らせていた








Stand by U ~scene21~

e0191504_18185915_convert_20121114224243.jpg



病院につくと、ヒョンは点滴をして眠っていた


青白い顔
ここ何ヶ月かでこけた頬
目の下の傷が余計に痛々しく見える




どこまでこの人は自分を追い込むんだろう






事務所のスタッフは、明日の公演についていろいろ調整をしていた
ヒョンを目当てで見に来てくれるファンもたくさんいる
でもヒョンの今の状態は思ったより重症みたいだった


まさか中止?延期?


それだけは避けたかった
無責任って思われるかもしれないけど、僕にはヒョンの気持ちがわかる
ステージに穴を開けるほど、あの人にとって屈辱的なことはない



例えステージの上で死のうと、あの人はステージにあがる



「あの・・・・」

僕はマネージャーにはっきりといった

「ヒョンは・・・大丈夫です。絶対やりきりますから」








誰もいない薄暗い病室で、僕はヒョンのベッドサイドに座っていた



「・・・チャンミナ・・・」



目が覚めたヒョンが、まだうつろな様子で僕の名を呼ぶ



僕は黙ってヒョンを見つめる


だんだんと意識がはっきりして、ヒョンは自分のおかれた状況を理解したみたいだった



大丈夫じゃないのなんてわかりきってるから「大丈夫?」なんて言えない

医者は「絶対安静」っていってたけど、そんなこと言えるわけがない



だから僕は黙ってヒョンを見つめるだけだった






「・・・知らせなくていいっていったのに・・・」

ヒョンが独り言のようにつぶやく

「そんなことしたら、あとで半殺しだよ」

本気とも冗談とも言えない僕の言葉に、少しだけヒョンが笑った





「今日は・・・・」

「仕事はオフだよ」

「いや・・・・ちがう・・・お前・・・・」

ヒョンがいおうとしていることはなんとなくわかった



「・・・・いいんだ、もう・・・」


僕はヒョンの点滴が一滴一滴落ちるのを確認して、そして静かにいった




「多分・・・終わったんだ・・・・」



ヒョンは一瞬僕の顔をみたけれど、そのことには何も触れずに、また天井を向いて目を閉じた





「明日・・・死んでも出るんだろ?」

「・・・当たり前だ・・」

強気な発言の割に、身体は本当につらそうだ



「一晩、僕がここにいるから」



てっきり帰れと言われるかと思ったけど、ヒョンは何も言わず黙っていた



ヒョンのマネージャーには心配いらないから帰れと言われたけど、僕はてこでも動かないつもりだった






薬が効いているのか、ヒョンはぐっすり眠っていた
もう何日も眠っていなかったかのように


多分・・・そうなんだろうな


僕が眠れないときは、眠りにつくまでずっとそばにいてくれる
でも、ヒョンがそんな弱気なことを言ったことはない


いつもいつでも、なんでもひとりで抱え込み、ひとりで戦う



もっと頼って欲しい、なんて言えない
そんなこと言わなくっても、ヒョンから頼られる男にならないと




僕は点滴が終わりそうになったら看護婦を呼び
多分限界が来ているであろうヒョンの足をマッサージしながら
いま自分にできる精一杯のサポートをしようと思った





yun_311_convert_20121114224434.jpg





そうしているうちにだんだんと夜明けが近づいてきた


僕はうつらうつらしてはヒョンの様子をみていたけど、いつのまにか椅子に座ったままベッドにうつ伏せの姿勢で寝てしまっていた



ふと、自分の髪にヒョンの手が置かれているのに気がつく

ヒョンはいつのまにか目を覚ましていた



「・・・どう?」


「ん・・・大丈夫」



僕に触れる手がかなり熱い
どうみたって大丈夫には見えないけど、大丈夫じゃなくても大丈夫という男だ



「チャンミナ・・・」


「・・・・ん・・?」


「・・・・ありがと・・・」



「・・・僕は・・・何もしてないよ・・・」




僕がそう答えると、ヒョンはベッドから上半身をゆっくり起こし、僕の顔を覗き込みながら優しく言った



「ほんとに・・・そう思ってる?」




僕は何も言えず、黙ってうつむいた



「なんも・・・わかってねーな・・・」



ヒョンがふっと鼻で笑う



「じゃあ・・・なんかしてよ」




お互い目が合う




ヒョンは目が潤んでいて、トロンとしていて、まだかなり調子が悪そうだ





僕は、この人を支えたい


この人の力になりたい




-心から、そう思った




僕は・・・この人が好きだ





僕は意識が朦朧としているであろうヒョンに


自分から


そっと


・・・・・・キスをした









Stand by U ~scene22~

yun_4168_convert_20121117231229.jpg




本当は絶対安静なんだけど
もちろんそんなことをいっていられるはずもなく
ヒョンはギリギリまで点滴治療を受けてリハに臨んだ


その集中力はすさまじいものだった 


本当は立ってるだけでもつらいはずなのに




本番前、ヒョンは驚異的な精神力で、もう「ユノ・ユンホ」のスイッチがはいっていた
舞台裏でスタッフ全員に声をかけ、気合を入れる。


どこまでもリーダーだな


少し前には僕もここにいたのに、この緊張した空気感をなつかしく感じてしまう


リハ、スタッフ、楽屋、衣装、メイク室・・・・



僕も、ここにいたはずなんだ


僕も・・・・ここにいるはずなんだ




そういえば、今までは当たり前のようにヒョンと同じステージの上にいた。
だからステージに行くお互いに「がんばって」なんて声をかけたこともない



僕はステージへとあがるヒョンにあらためてかける言葉が見つからなかった




でも、僕たちはお互いなんとなくわかっていた
僕は自分もステージに上がるような気分でいたし、ステージに上がるヒョンの気持ちが痛いほど伝わる



ヒョンはいろんなスタッフに声をかけている中、僕を探していた



自意識過剰かな



でも僕にはわかるんだ





スタッフをかきわけ、ヒョンと目が合う



約束したわけでもない

打ち合わせしたわけでもない



でも自然に

僕とヒョンは手と手を合わせていた


そこに言葉なんていらない
そこから僕の気が伝わり、ヒョンの気が伝わるんだ




離れていたって、僕らの心はつながっている









僕はバックステージでもVIP席でもなく、一般席から見ようと決めていた
ステージ全体をみよう
オーディエンスとの一体感をみよう
ヒョンの作り上げるステージ全部を見るんだ



僕は敬虔なクリスチャンではないけれど
でも、今日ばかりは神様に祈らずにはいられなかった




どうか
どうかあの人を最後までステージに立たせてください





GBQfeI4MsvJPjVH.jpg










ステージは、圧巻だった



体調の悪さなんて微塵も感じさせない




なぜこの人はこんなにも人を魅了するのだろう



ひとつひとつのステップ、指先の動き、視線、表情、歌声、観客の煽り方
何もかもが

誰も真似できない、誰の真似でもない




ヒョンを綺麗だと思った

余計な言葉もなく
ただ真っ直ぐに
なんて綺麗なんだろうと



ああ・・この人は、やっぱりステージで生きる人だ
ステージの上がこの人の生きる場なんだ




僕は・・・僕は強く思った


「ステージに立ちたい」


この人のそばで
この人のとなりで



それに見合う男になりたい

負けないような男になりたい



8118747260_6e55bc667e_b_convert_20121117232409.jpg




初日の舞台を終え、ヒョンはすぐに病院に運ばれた
ステージから幕に下がったと同時くらいに意識を失っていた


僕はもう心の準備ができていたので、冷静に対応出来たと思う
ヒョンは明日の最終日に備え、入院して点滴治療を続けながら体力の回復を待つことになった


ヒョンは薬で眠っていた
その寝顔を見ながら、僕は今日のステージを思い返していた






ヒョンを・・最後までステージに立たせてくれて、ありがとう


ステージの神様に、感謝しなくちゃな




僕はギリギリまで病室にいて、夜明け頃仕事のために家に戻ることにした



大丈夫
ヒョンは大丈夫だ






最終日は僕は仕事で行けなかったけれど、初日よりだいぶ体調もよく、最高のステージだったとヒョンのマネージャーから聞いた


一緒に共演したスタッフとの打ち上げにも参加でき、ヒョンにとっては最高の日になっただろう








「カチャリ」

ドアの開く音がする
「ユノ、お疲れ。ゆっくり休めよ」
ヒョンのマネージャの声が聞こえた




「ただいま」

リビングに来て、ソファーでPCをしている僕にヒョンが話かける


「今日はまだ起きてんの?って言わないの?」

「ん・・・多分待ってると思った」


なんだよ、それ。
どこから来るんだよ、その変な自信。


「なんか飲む?」

「ん・・水くれる?飲めないビール思いっきり飲まされたよ・・・」

「そっか・・・」


僕は冷蔵庫を開け、冷たい水をグラスにそそぐ
ヒョンはその水を一気に飲んでいた


「楽しかった?」

「ん・・・そうだね」


やっぱりまだ完全に回復はしていないんだろう
ヒョンはソファーにどかっと座り、天を仰いでいた



「ヒョン・・・」

「・・・ん?・・・」

「・・・・お疲れ様」

「・・・ん・・・ありがと・・チャンミナもな・・・」

「・・・僕は何も・・・・」



どこかで言ったセリフだな・・・なんて考えていたら
その時のことを急に思い出して顔が赤くなる




それ以上言葉も続かず、僕はPCを続け、ヒョンは・・・・そのまま寝ちゃいそうだった



「・・ヒョン・・・」

「・・・・・」

「ヒョン?」

「・・・・」


寝ちゃったのかな
目を閉じたまま微動だにしない


「ヒョン・・」



寝ててもいいや




「僕は・・・正直・・・くやしかった・・・」


「僕も・・・・頑張らないと・・・」



それだけ言って、僕がPCを閉じてソファーから立とうとしたとき
不意に腕を掴まれた



「・・・起きてたの・・?」



ヒョンはそれには何も答えず、立ち上がって僕の髪をくしゃっとした



それは
「十分だよ」にもとれたし
「がんばれよ」にもとれた



「・・・シャワー浴びてくる」



シャワールームへ向かうヒョンを後ろに感じながら
僕は泣きそうになっていた




立ち止まってばかりいちゃいけない

僕も歩き出さないと



ヒョンの歩き出した一歩を

一緒に踏み出すんだ






FC2ブログランキング
プロフィール

haruno

Author:haruno
2011年のレコード大賞「why?(Keep Your Head Down)」で伝説の”秒殺トン堕ち”したharunoのブログです。「BL」や「腐」という言葉の意味すら知らなかった私が、もはや脳の9割近くが腐っています(笑)。ユノとチャンミンの「萌え日記」と「妄想小説」をマイペースに書いています。

月別アーカイブ
ユノ・チャミLOVE
旦那ユノ♥ 嫁チャミ♥ 美人ユノ♥ hvQCUq1DHJ3oigA (1) 美人チャミ♥ メガネユノ♥ メガネチャミ♥ パーマユノ♥ パーマチャミ♥ ロン毛ユノ♥ ロン毛チャミ♥ イケメンユノ♥ イケメンチャミ♥ 男ユノ♥ 乙女チャミ♥
RSSリンクの表示
QRコード
QR
検索フォーム
アクセスカウンター
現在の閲覧者数:
当ブログについて
当ブログはあくまで個人で楽しむものであり、営利目的ではありません。ブログ内の画像・動画の著作権は著作元に帰属します。画像・動画はお借りしております。出処は全て写真内に記載されています。お借りしていることに感謝申し上げます。
最新記事
最新コメント
カテゴリ
ホミンLOVE
飛行機ホミン♥ TONEホミン♥ 腕組ホミン♥ 耳うちホミン♥Y.ver 耳うちホミン♥C.ver 耳うちホミン♥Y.ver 耳うちホミン♥C.ver 耳うちホミン♥Y.ver 耳うちホミン♥C.ver ダダ漏れホミン♥ ダダ漏れホミン♥
最新トラックバック